用語集

  • 「過去の部屋」のエクササイズ

    過去の部屋
    マイズナーテクニックにおけるエクササイズの一つ。自分が子供の頃に過ごした部屋に、想像力と五感の力を使って戻ってみるという練習。言葉で書いても「何じゃそりゃ」という感じにしかならないけど、それはあなたがいまスマホやPCでこの文章を読んでいるからで、実際にリラックスして集中した場でやってみると、けっこういろんなことが起きるんですよ。ホントだってば。

  • サンフォード・マイズナー・テクニック

    サンフォード・マイズナーさんというアメリカ人が考えた、演技のやり方のこと。マイズナーテクニックやマイズナーって訳されたりするよね。名前が演技のやり方になるのすごいね。「クロサワではさー」て言ってるのと一緒だもんね。さて話を戻すと、演技の先生で有名なスタニスラフスキーさんというロシア人がアメリカに来たときに、リー・ストラスバーグさんとかと一緒に学んだマイズナーさんは、そこで得た経験に基づいて、自分の演技のやり方を伝え始めたそうです。マイズナーさんは1997年に天国に旅立ちました。ご冥福をお祈りいたします。

  • リピテーション

    サンフォード・マイズナー・テクニックにおける、演技の基礎練習のこと。約して「リピ」とも。場所によって「レペテション」とも言う。こっちのほうが英語の発音に近いけど、ま、どっちでもいいじゃんそもそも日本語じゃない言葉をカタカナにした時点で音なんか再現できないんだからさ。かんたんに言うと「相手のことばを繰り返す」練習です。その先は指導者によって違いはありますが、マイズナーさんの言葉で言えば「二歳の子供のように自由に、大人としての分別を持って、ありのままに振る舞い」ます。読んでも意味分かんないよね。わたしも始めたばかりのころは意味分かんなかったです。やってみたらいいと思うよ。

  • 時間堂

    黒澤世莉が1997年から2016年までやってた劇団。新作オリジナルから古典翻訳者まで、幅広い演目をすべて黒澤世莉の演出で上演したよ。1800円で演劇見るキャンペーンしたり、十色庵ていうスタジオつくったり、札幌から福岡まで全国ツアーで回ったり、レパートリーシアターをやったり、ソシオという支援組織をつくったり、その節はいろんなかたにお世話になりました。「40歳になっても恥ずかしくない劇団名にしよう」て思いでつけた名前でしたが、40歳になったときに解散しちゃった。ギリギリセーフと言うべきかアウトと言うべきか。

  • ソシオ

    時間堂という劇団の支援組織。元ネタはスペインのサッカーチーム・バルセロナのソシオ。スペイン語に訳すと互助会みたいな意味かな。年会費払って特典もらって応援するファンクラブみたいなものだけど、バルサ(って訳されるのよバルセロナは)のソシオの最大の特徴は、会長の選挙権があること。日本のアイドルのファンクラブがセンター決める総選挙がありますけど、事務所の社長を決めるようなもんですよ。すごいね。時間堂のソシオは、選挙権は難しかったけど、運営について相談して意見を聞いたりサポートしてもらったりしてました。ありがとうございました。

  • 十色庵

    時間堂という劇団が持っていたスタジオ。演劇のスタジオは黒と相場が決まっていますが、十色庵は白壁でしたね、私の趣味です。残置物満載のカラオケスナックを劇団員とお手伝いのみなさんでゼロからリノベーションしました。その節はありがとうございました。20坪弱のスペースで、リハーサルもワークショップも公演もできたよ。自分たちの場所があるからレパートリーシアターもできました。キッチンがついていてカフェ営業もできました。サッカーのパブリックビューイングもしてました。2020年惜しまれつつクローズ。

  • スタニスラフスキー

    超有名なロシア人の演出家、俳優指導者。超有名だけどうまく発語されてない率もナンバーワン。関係ないけどポーランドの演出家にスタニエフスキっていう人がいて見間違えやすい。話をもどすと、スタニスラフスキー・システムは彼の考えに基づいた俳優指導方法。かなり早い段階で著作「俳優修業」が日本語訳された割に、というか早すぎたからか、いろんな誤解を受けている演技のやり方だとも言われてますね。わたしはとっても素敵なシステムだと思います。1938年天国に旅立たれました。ご冥福をお祈りいたします。

  • ピーター・ブルック

    イギリス人の演出家、フランス在住ブッフデュノール劇場で現役でバリバリやってる先輩です。わたしもたくさん影響を受けました。「なにもない空間」「秘密はなにもない」などの著作が有名だし「The man who」など来日公演もたくさんありました。「演じるものがいてそれを見ている者がいる、そこに演劇が生まれる」(意訳)という演劇の定義が素敵で、私も長いことピーター先輩の考えを借用しておりました。長生きしてください。

  • ピロー先輩

    まくら。サンフォード・マイズナー・テクニックにおける、演技の基礎練習「リピテーション」で使います。リピのとき、感じたエネルギーをあるがままに表現してほしいのだけど、暴力衝動を相手にそのままやるのは当然NGです。暴力衝動が芽生えたとき、相手を傷つけずにあるがままに表現するためにはどうしたらいいのか?答えはピロー先輩です。ピロー先輩がすべてを受け止めてくださいます。場の安全が確保できて、俳優の成長も健やかにすすむ、全てはピロー先輩のおかげなのです。まくらに感謝しましょう。

  • レパートリーシアター

    上演できる作品をいくつか持っておいて、定期的に上演すること。時間堂という劇団をやっていたとき、十色庵というスタジオをもっていました。そこを拠点に、少人数の短編演劇を定期的に上演する、ということをやっていたんですねえ。ヨーロッパの劇場なんかだと、長編もレパートリーでもってたりします。演劇一作品つくるのには人もお金も資源もめっちゃ使うのに、一回上演したら全部パーになっちゃう、ていうのは、まあ演劇の良さっちゃ良さかもしれないけど、もったいないよね。というわけで、つくったものを育もう、て感じでやってました。諸事情で1年でやめちゃったけど、もうちょっと続けたらもっと面白いことになったんだろうなー、て今は思います。